タイとマイペンライ
「マイペンライ」
タイ好きはもちろん、タイをあまり知らない人にとっても、聞き馴染みのある言葉かも知れない。マイペンライの意味は、「問題ない。大丈夫」
英語で言うとno problem 中国語で言えばモーマンタイみたいな。このマイペンライは、日常でよくタイ人が口にし、タイ人の気質を表す言葉としても有名だ。
こちらが何か迷惑をかけたとき、お願い事をしたとき、トラブルがあったとき、タイ人は基本的に「マイペンライ」の一言で笑って流してくれる。コンビニの支払いでもたついたり、改札で引っかかったりしても、日本のように露骨に嫌な顔をされることもないし、怒るような人はいない。肩がぶつかっても怒る人はいないし、ましてや目があっただけで「ガン飛ばすなと」ケンカがおっ始まることなどない。
みんな、マイペンライで流してくれる。
この、マイペンライ文化は日本人特有の、「勤勉、真面目」な気質の真逆をいく概念で、小さなことで悩んだり、ちょっとしたことを深く考すぎたりしていた日本時代の自分にとって、とても魅力的に思えた。
大体の問題はマイペンライの一言で解決するし、マイペンライと唱えれば前を向けた。
最近、そんなマイペンライの裏側がわかってきた。
以前、ナンパした教養のあるタイガールに、「日本人は計画の達成率が高い」と言われたことがある。日本で生きてきて、「日本人はよく計画を達成してるなぁ!」なんか思ったことないけど、タイ人からしてみたら、日本人は長期的な大プロジェクト、小さな約束、一つの小さな仕事でも確実に正確に達成する。
確かに言われてみれば、タイでは、ずーっとここ建設中だなみたいなコンドミニアムや、ずーっっとここ工事中だな、とか、ここのエスカレーター去年から止まったままだな、みたいな光景をよく見る。建設中の建物も、なんか勝手に住み着いてるやつがいたりもするし。
ああ、たしかに日本ではきちんと計画通りに物事が進み、基本的には目標は達成されるものだ。
物事一つ一つを考え、良いことも悪いこともしっかり考え悩む、日本に居たら「こんなのがうつ病の原因じゃん」って思ってたけど、マイペンライの国では非常にこの、「深く悩み、計画を遂行出来る」部分が尊敬されている。
マイペンライ、気にしない。
それは裏を返せば、物事を深く考えることが出来ず、先を見通し、じっくり問題解決に取り組むことが出来ないという気質でもあるのだ。
昔は憧れたこの言葉も、住んでみればまたその裏側が見えてくる。物事を深く考えないからこそ、気楽でいられるし、マイペンライの一言で流す。
タイでナンパをするのであれば、その気質の理解が、助けになることもある。
将来性や、素敵な未来を語る必要もない。逆に言うと、今この一瞬、この瞬間だけ、相手を魅了すればいいのだ。タイ人は深く後悔することも、強く反省することも無いから、今、その場所で相手をハッピーにすることが一番大切で、理屈とかじゃなくて、感覚。理論じゃなくて、その瞬間の感情で生きている人間が多いから。
そんなタイで、真面目で勤勉な我々日本人がタイ人女性と接するには、「マイペンライ力(りょく)」、つまり小さなことを気にしない力が必要になる。
当たり前だけど街は汚いし、公共マナーはめちゃくちゃだし、日本に比べて、至らないところがたくさんある。海外で戦っているプレイヤーの方、生活している方なら強く実感されると思うが、日本のようにサービスと心遣いが行き届いている国など無い。
タイは細かい所で不便だ。
例えば洗剤一つとっても指で切れるなんてどれだけありがたいことか。ハサミが無いと切れない物ばかり。普通に生活しているだけでも、ストレスが貯まることが多いだろう。アポもガンガンドタキャンされるし、しょうもない嘘もバンバンつかれる。
日本人のように「相手を察する」文化はないので、無礼に感じることもあるだろうし、日本人の感覚ではありえない距離感で自分の生活に侵犯してくる。
細かい所に目を向けると、嫌な部分はいくらでも出てくる。でも一々それに目くじらを立てて怒るより、今をハッピーに生きるために、「マイペンライ」の一言で流そう。
そうすれば、タイ人女性への理解はグッと高まるだろう。
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