たはらのバンコクナンパと、アメージングタイランド

バンコクに移住したナンパ師たはらが綴る、ナンパとタイと時々レディボーイ

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タイ・バンコクで就職するということ~挫折したエリートの海外就職、転生ぴよひこという男

この記事では、タイ・バンコクでの就活や海外就職、現地採用について、実際にタイ、バンコクで新卒就職した1人をピックアップして書いていきたいと思う。
日本では働き方改革が叫ばれる今、ある1人のナンパ師を例に、海外就職や海外転職について紐解いていく。
タイでの就職や転職、海外で働くことに興味があるあなた、またはタイに住むことに憧れているあなた、今、日本でくすぶっているあなたに、新卒で現地採用として働く彼の等身大のインタビューをお届けしたい。

1.転生ぴよひこという男

転生ぴよひこ(@piyopiyohiko00)。とある日本の大学の4年生。日本人。自称カオス受け止め委員会会長。昨年夏からタイ、バンコクにやってきた、現在、日系の企業で働く新卒の会社員。

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「日本に居た頃は、普通の大学生でした」

 

そう話すが、彼は世間一般で言うところの難関大学に通う大学生。経歴を聞く限り、いわゆる優秀な大学生だ。高校は全国でも有名な進学校。
世間的に言えばエリートの彼だが、本人は、「大学受験」でも「就活」でも挫折したと話す。

 

「本当は、日本でも就活してあるメーカーから内定をもらいました。ただ、真面目に就活したわけでもなく、ただなんとなく受けて、なんとなく受かっただけです。正直、納得していませんでした。周りは医者になったり、超有名企業に就職が決まる中、正直、コンプレックスはかなり大きかったです」

 

彼が自分を「普通の大学生」だと言う真意はここにあった。劣等感。大学受験での挫折、就活での挫折。世間というより、自分が認めていなかった。
高校や大学の友人が次々にその「エリート」の道を突き進む中、周りとのギャップがどんどん大きくなったと話す。それは気持ち的な意味でも、ステータス的な意味でも。日本にいてもモテないし、あまり楽しいことは無かった、と。

なぜ、タイに来て、就職しようとしたのか、率直な疑問をぶつけてみた。

 

「良い高校に入って、良い大学に入って、良い会社に就職する。僕は頑張れませんでした。挫折と言ったけど、実際は自分が頑張れなかっただけ。頑張れなかったのは自分だけど、周りの本当のエリート達から漏れた自分を認めることが出来なかったし、多分日本に居ても、ずっとこのままコンプレックスを抱えたまま死ぬまで生きることになっていたと思います。それにモテないし」

 

鬱憤が溜まっていた。劣等感に苛まれ、自堕落と自己嫌悪の間で揺れる大学4年の春休み、転生ぴよひこに転機が来る。

2.タイで働くきっかけ

 

「本当にたまたま、たまたま友人がタイに行きたいと言い出して、一緒に旅行で行く予定でした。でも、直前に友人がキャンセルになってしまい、迷ったけど、どうせなら1人で行ってみようと思いました。勢いで。タイには以前来たことがあって、好きな国の一つでしたし」

 

社会に出る直前、本当にこのままで良いのか、モヤモヤした気持ちを抱えながらやってきたタイ、バンコク。図らずも1人旅となった彼は、このモヤモヤをぶつけるべく、タイで働く日本人になるべくコンタクトを取り、可能な限り実際に会ってみた。

 

「バンコクって良くも悪くも色々な日本人がいるな、と思いました。タイのメーカーでバリバリ働くカッコいい現地採用の人、タイ人の悪口や仕事の愚痴ばかりもらし、かといって特に行動を起こせないので現状に甘んじている目の死んだ現地採用の人、タイに全く馴染もうとせず、スクンビットから出ようとせず、親の金を使っているだけなのに仕事をしていると見栄を張り即までも嘘をつく自称ナンパ師、逆にタイで会社を立ち上げ、自由に楽しく生きている人などなど...」

 

まとめると、
【こうもなれる】
【こうもなってしまう】というのがすごい分かりやすく見えてきた。率直に言うと、ダメなやつと、すごいやつ、そこがきちんと別れているのが面白いな、と。

 

「タイは日本よりまだまだ自由に開けているというか、逆に言えばなにか、選択肢によって、頑張りによって、自分の未来が、すごい人になれるのか、しょうもない人になってしまうのか、そこを自分次第でどうにかできるんじゃないのかと。失礼ながら、すごい人としょうもない人の比較がくっきり出来た。自分のなり得る2種類の未来がらどこか可視化されたみたいな...」

 

そして、

 

「多分日本だと、"就活での成功"だとか"良い仕事に就く"ことが成功のパターンで、でも、そうじゃない未来も面白そうだな、と思わせてくれる日本人にたくさん会うことができました。日本人もタイ人も、まわりには色んな生き方をしている人がいて、色んな成功の形、人生の形があるんだなぁ、と」

 

「日本にいると、医者だとか、◯◯という会社だとか、どうしてもそういう評価軸から逃れられない僕にとって衝撃でしたね。ずっと、何か劣等感を抱えながら、くすぶりながら生きなきゃいけないのかと思っていたからこそ、また違う人生を始めれるのではないのか、まだ何にでもなれるんじゃないのか、そう思えるようになりました」

 

3.タイでの就活、海外新卒採用

海外就職は現地の人材会社に登録し、人材会社経由で就活をするのが一般的。

転生ぴよひこも、バンコクにある2つの人材会社に登録し、いくつかの求人をもらう。特別スキルのない、新卒の大学生にも多くの企業が興味を持った。

 

「日本で評価されなかったことが、評価されました。ナンパしに来た、と話して通った面接もあります」

 

就活はトントン拍子に進み内定を獲得した。

「おそらく、就職の難易度は低いです。たぶん普通に日本の就活を経験した人にとっては、こんな簡単なことはないと思います。ただ一つ、これは大きな問題ですが、求人票からすでに酷い労働環境の違法労働が堂々と載っていたり、面接中、ホームレスみたいな社員から急に説教をされたこともありました」

 

具体的に酷い労働環境というのは、
まず、
・法定賃金以下の募集(日本人は原則5万バーツ以上)
・残業代を支払わないと明記
・週6出勤前提で、日曜も出勤させる
・インターンと称して日本の大学生を月給3000バーツで雇用 など。

とにかく、普通に考えたら違法なのが、人材会社を通してもまかり通っているし、人を馬鹿にしたレベルの求人が多かったそうだ。法律の及ばない範囲で調子に乗る日本人が多い。
そんな中、納得のいく企業を見つけ出し、転生ぴよひこは就職することに成功したのだ。

 

「日本で社会人として生きたことはないので、社会人としての比較は出来ませんが、おそらく給料は日本で働くほうがもらえると思います。生活自体も、そこまでタイでいい生活をしているとは言えません。タクシーなんてあまり使わないし、自炊もしてます。
ただ、視界が変わりました。今って、これまでとは別の評価軸で生きてるなぁと。日本で気にしていたことを気にしなくなりました。ただ、出来る人が出来る環境が少ないし、そこは変わってほしい。受け皿の部分ですね」

 

4.タイ移住後の生活

現在、彼はカオス受け止め委員会会長として、ナンパを始め、レディボーイ、黒人を抱きまくる。

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「人生も、セックスも、日本にいた時はコンプレックスがありました。でもタイに来て、弱い自分を超えられた気がします」

 

タイに来たことで全てが吹っ切れた。ナンパ、セックス、2週間後にはタイ人の彼女も作った。タイではモテない自分も捨てられた。自然と非モテマインドはなくなっていた。

最後に、タイに新卒で就職して良かったかと聞くと、彼はこう答えた。

 

「本当に決められた未来を生きなくて良い。ということが分かっただけでも来てよかったです。決められた職業、会社のステータスだけで未来や人生が決まるんじゃなくて、【こうもなれる】【こうもなってしまう】、これがくっきり見えたからこそ、自分の目指す方向が決めやすくなったと思います」

 

エリートの同級生に出来ないことをタイでやってやろう、とタイでの生活を謳歌する彼。完全にエリートの呪縛が解けるまで、まだ何者でもない転生ぴよひこの人生逆転劇は、続く。

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